時計塔の鬼


「誰だ?」



ビクッとして、声がした方……つまりは、塔の階段口へと目をやった。



「あ、やっぱり誰か知らんけど人おるやん! ったく、幽霊が出るなんてうちに嘘教えたんどこのどいつよ。明日覚えとけっつの!」


何やら妙な言葉を使う女が、この学校の制服を着て立っていた。

艶やかな髪を右耳の上で一つにまとめて、強気な光を放つ目を持った少女。



「あ! うち質問されたんやっけ。うん、うちの名前は、さくら。で、そっちの名前は?」



弾丸を素早く続けて打ち込むかのように、勢いよく話す女だ。


“さくら”という名前でるらしい。

変な人間。



けど、それよりも




< 111 / 397 >

この作品をシェア

pagetop