時計塔の鬼






シュウ。



心中でそう、名前を呼んだ時。





え……?



いきなり、目の前が暗くなった。





「……夕枝」



気付けば、抱き締められている私が居た。




「――――……きだ」



頭にすごく温かい息と一緒に何かが。



言葉が当たった。





え……?




体に回された腕は、

思いがけなく強く。




そして、熱い。





< 88 / 397 >

この作品をシェア

pagetop