キミノタメノアイノウタ

「灯吾のやつ、やっぱり説明下手だな」

「どういうこと?」

首を傾げているとおかわりを催促されたので、私は仕方なくまた冷蔵庫から冷茶のボトルを取り出した。

今度は自分の分もコップに注いで持ってくる。

コップを手渡すと兄貴はゴクゴクと喉を鳴らして冷茶を飲んだ。

そしてグラスが空になるとこう言った。

「俺は“歌手”にはなった覚えはないぜ?」

「どういうこと?灯吾は兄貴と一緒にやってきたって言って…あっ!!」

そこまで言ってようやく気づいた。

確かに“侑隆と一緒にやってきた”とは言ったけれど。

< 158 / 409 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop