キミノタメノアイノウタ
「気づいたか?俺はあれだ、演奏専門。大体、俺が歌えるわけねーだろ?」
「もう!!あれってそういう意味だったの…?」
灯吾は兄貴の言った通り説明が下手だ。下手すぎだ。
兄貴はご飯をもぐもぐと口に放り込みながら、私の世間知らずを指摘した。
「お前もそれくらい知ってろよ。一応、俺達ミリオンヒットまで飛ばしてるんだけど」
……サラリと言うからうっかり聞き逃しそうになったではないか。
「嘘!!」
私は思わずダイニングテーブルに手をついて身を乗り出した。
(ミリオンって100万枚でしょ!?)
「“azure”って売れっ子じゃん!!」
「そうだな。売れっ子だな」
私の身体からへなへなと力が抜けた。