キミノタメノアイノウタ
「ほら、これでいいんだろ?」
壁に沿って建てつけられた棚からCDを漁っていたタツが、そのうちの何枚かをソファに投げて寄越す。
私はCDのタイトルを見て、目を見開いた。
……タツが寄越したCDはどれもasureのものだったからだ。
「瑠菜が聞きたかったのはazureだろ?」
(それはそうだけど……)
これだけ見透かされていると、癪に障る。
私は勢い良くベッドに寝転んだ。ワインレッドのシーツがボフンと揺れる。
「タツも知ってたんだ」
私は恨みがましくタツを睨んだ。
……なんだか悔しかったのだ。
タツはふっと笑みをこぼした。
「よしよし。仲間はずれは嫌だったんだよな」
まるで子供のように頭を撫でられて宥められると、やっぱりタツは全部知ってて黙ってたんだと思い知らされる。