キミノタメノアイノウタ
「知ってたなら言ってよ!!」
……余計な恥をかいたではないか。
私はベッドに置いてあった枕を、タツの顔面目がけて投げつけてやった。
「おお、怖い!!」
タツは枕を器用にキャッチすると、azureのCDをCDプレーヤーの中に滑り込ませた。
「聞くなら聞いてけよ。瑠菜に家じゃさすがに聞けないだろう?」
そう言って、枕を元の位置に戻して扉を閉めると階段を下りていく。
CDプレーヤーから流れ出た音はすぐに部屋の中を満たしていった。
私は枕に頭を乗せて、ベッドに身体を預けた。
……タツはきっと灯吾が歌えないことも知っている。
そうでなければ、ここで聞いていくように薦めない。
ソファに置かれたCDケースを手に取る。
タツがCDプレーヤーの中に入れていったのは“ハルのうた”だった。