キミノタメノアイノウタ

「知ってたなら言ってよ!!」

……余計な恥をかいたではないか。

私はベッドに置いてあった枕を、タツの顔面目がけて投げつけてやった。

「おお、怖い!!」

タツは枕を器用にキャッチすると、azureのCDをCDプレーヤーの中に滑り込ませた。

「聞くなら聞いてけよ。瑠菜に家じゃさすがに聞けないだろう?」

そう言って、枕を元の位置に戻して扉を閉めると階段を下りていく。

CDプレーヤーから流れ出た音はすぐに部屋の中を満たしていった。

私は枕に頭を乗せて、ベッドに身体を預けた。

……タツはきっと灯吾が歌えないことも知っている。

そうでなければ、ここで聞いていくように薦めない。

ソファに置かれたCDケースを手に取る。

タツがCDプレーヤーの中に入れていったのは“ハルのうた”だった。

< 172 / 409 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop