魔女の瞳Ⅵ
第四章
本気を出したお母様の『雷撃』の魔術の威力は、最初に食らった時よりも桁違いだった。

全身が麻痺して体の自由がきかず、私はそのまま森の中へと落下していく。

全身を木々の枝や幹でぶつけ、大小無数の傷を受けながら地面に激突!

「うぐぁっ!」

私は落下の衝撃に呻いた。

枝によるクッション効果がなければ、そのまま地面に叩きつけられて死んでいた所だ。

「ほとほと悪運が強いわね」

音もさせずにお母様が着地する。

私とは違い、その身には傷一つ負ってはいない。

これが先代と現当主の実力の差。

魔力、技量、体術。

全てにおいてお母様は、現当主である私を凌駕していた。

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