魔女の瞳Ⅵ
まだ這い蹲ったままの私に、お母様はにじり寄ってくる。

その目に感情はこもっていない。

親子の情だとか、同族への情けとか、そういうものは一切感じられない。

ただデッドゲイト家存続の為に。

お母様はそれだけの理由で私を『拘束』し、『連行』しようとしていた。

当然、私もみすみす連れて行かれる気はない。

体が動かないなら呪眼で…!

お母様を睨みつけ、『呪縛』の魔術を行使する。

視線を合わせた相手の動きを封じてしまう魔術。

しかし。

「初歩的なミスをするのね、メグ」

お母様に『呪縛』は何の効果も為さなかった。

「『呪縛』は魔術に無防備な相手か、自分より絶対的に魔力が下の相手にのみ効果を発揮する魔術よ。そんな事、魔女修行の最初の最初に教えておいた筈だけど」



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