魔女の瞳Ⅵ
お母様の死により、戦いは終結した。

しかし。

「……」

地面に伏せたまま、嗚咽する修内太の変わり果てた姿。

私も、時貞も、菊花も、駆けつけた桜花もジルコーも。

かける言葉すら見当たらない。

…終わったのだ。

私がいて、修内太がいて、仲間がいて、友達がいて。

そんな夢のようだった時間の終わり。

そう、あれは夢だった。

永劫の闇を歩み続ける筈だった一人の魔女が、ほんの束の間にその瞳に映した、うたかたの夢。

夢はいずれ醒めるのだ。

そして醒めた時には、いつもの永劫の闇がどこまでも広がっている。

だけど、一度あたたかな夢を見てしまった私には、その闇はあまりにも深くて、冷たくて、悲しすぎて…。

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