heaven
底無しの
それは限りない憎悪である。

「全く  
   人間は 殺し合うことがお好きだ」

一度始めれば
 尽きる日は見えない

それが     戦

それは空高い場所

全てを見下ろす上空で
 キラは灰色の町を見つけた。

「……!また……」

「……マルス通り
 三番地 ここだよ」

サァッと血の気が引いた。
ああ、そう言うことか。

また俺はあの光景を
目の当たりにすることになるのか。

キラは小さくため息を付いた。


「全く 人間は
 くだらない殺し合いがお好きだ」

リフはその言葉に小さく頷いた。
全く同感だ。
国を治める者同志のくだらないいざこざや
いわれのない噂 執念 昔のあら探し

そんなことから人は殺し合うのだ。

それが人の文化であり、
歴史であることに、
リフはどうにも納得がいかない。


キラも、死神という仕事上
人間の死に慣れていないわけではない。
慣れている、と言うわけでもないが。
この血なまぐさい仕事をする上で
仕方ないことだと解っているはずなのに
どうしても許せない


 戦だけは 許せない。
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