ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love
小絵にとっては、ショパンの曲ノクタ-ンは…
海からの使者と同じだ。
運命を予言する…
以前のことだが…
まだ日本にいた時のある夜…
小絵は自分の部屋にある
ピアノを弾いていた…
曲はノクタ-ンだったが…
小絵の耳に「ザザァ-」
という…波の音が聞こえたかと思うと…声がして、
「ノクタ-ンは海からくるの………
それが貴方の運命…」
誰だか知らないが、言うとうりだ。
『結城様が、独身でなくてもかまわないわ。
もう、愛してしまったのだから…』
ベッドからも、海を望むことができる…窓辺の景色は、
小絵のそんな思いをよけいに溢れさせていた…
空の月はちょうど満月…
海面に反射する月の光りはまるでカ-テンのよう…
その月の光りのなかで、結城とひとつになった小絵。
きっと、生涯忘れられないだろう…
しばらく結城の胸に顔をうずめていた小絵は頭をあげ結城を見つめた。
その小絵の髪を優しく撫でながら結城はこう言った。
「小絵…君は僕にとっては 運命の女神だよ…♪」
-どうして、私が女神なの…変だわ-
「変じゃないよ…
どうしても、女神なんだ 」
-でも、変ねえ…
私は小絵なのに -
「小絵…僕は明日になれば日本に帰国しなければね…
ところで、
君はいつになったら…日本へ帰ってくるの… 」
-私はあと…三か月で帰れるわ -
一日も早く…帰っておいで 待っているからね-
-三か月なんて、あっと言う間よ…♪-
結城は小絵の髪を愛しそうに撫でながら…♪
「僕が帰国したら…
このカプリ島にそっくりな島を見つけておくからね。
君はその島に住むといいよ…瀬戸内の海辺にね 」
-ほんとうなの!
嬉しいわ♪… でも、
ほんとに…ほんとなの -
「ほんとうに…決まってるじゃないか…
もう、僕には君しかいないよ… 愛する人は♪」