ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love


朝子は東京からやって来たのである。


だが、結城の娘ならもっと早く来ているはずだ。


しかし、結城は妻とは別居中である。だから、連絡をしたとしても、


事態を軽く受止めていたのだろう。まさか意識不明だとは知らなかったのだろう。


ただ結城が交通事故にあい入院した。だからなのか…

祖母に抱き付いていた朝子が、我にかえっていた。



「朝ちゃん、来てくれたのね。ありがとう…
それで、お母さんはどうしたの〃 」



-お母さんは、行きたくないって言ったの、
だから、私一人だけ来たの-



「圭介が死ぬかもしれないのに、そう言ったの〃
ほんとうに恐い人だね」



-ごめんなさい、おばあちゃん〃
私もお母さんのことが、恐くてしかたがないの!-



その朝子は今にも、身震いしそうになった…


それほど恐い存在なのだろうか、結城の妻は。


その朝子が、祖母の早苗に封筒を差し出した。


その中には、一枚の紙が入っていた。離婚届の用紙である。


早苗は出して見て驚いた。 妻の欄には署名捺印されていたのである。
< 203 / 354 >

この作品をシェア

pagetop