ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love
朝子は東京からやって来たのである。
だが、結城の娘ならもっと早く来ているはずだ。
しかし、結城は妻とは別居中である。だから、連絡をしたとしても、
事態を軽く受止めていたのだろう。まさか意識不明だとは知らなかったのだろう。
ただ結城が交通事故にあい入院した。だからなのか…
祖母に抱き付いていた朝子が、我にかえっていた。
「朝ちゃん、来てくれたのね。ありがとう…
それで、お母さんはどうしたの〃 」
-お母さんは、行きたくないって言ったの、
だから、私一人だけ来たの-
「圭介が死ぬかもしれないのに、そう言ったの〃
ほんとうに恐い人だね」
-ごめんなさい、おばあちゃん〃
私もお母さんのことが、恐くてしかたがないの!-
その朝子は今にも、身震いしそうになった…
それほど恐い存在なのだろうか、結城の妻は。
その朝子が、祖母の早苗に封筒を差し出した。
その中には、一枚の紙が入っていた。離婚届の用紙である。
早苗は出して見て驚いた。 妻の欄には署名捺印されていたのである。