心ノ囁キ ーサヨナラのオトー
その中身とは……
フルートだった。
乃栄の趣味は
読書の他に、フルートもあった。
中学生の時、音楽に関して何もわからなかったのに
乃栄は吹奏楽部に入り、フルートをやることになった。
もちろん、
楽器の経験は0なのだが、
乃栄は軽々とフルートのマウスピースを吹くことができた。
これには先生達もビックリで、
ちょっと教えただけで
3日間でフルートを使いこなすようになった乃栄を
天才だと思った。
中学生2年生になって
乃栄は自分の貯金を使い、
自分だけのフルートを買った。
乃栄はフルートをいつも肌身はなさず持っていたから、
親友と思っても当然のようなものだった。
しばらく修理に出していて、今日やっと自分のもとに戻ってきたというわけである。
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