抱けないあの娘〜春〜



「…その可奈って女がこないだいきなり寮に来たんだ。寮の受付でどうしてもお前に会わせろと聞かなかったらしく、応対に困った寮母さんが俺に相談してきたんだ。」



そんなことが…



「最初はお前のファンかと思ってさ。でもその日、お前はスパイクの調整の為に出掛けていなかったのを思い出して追い払おうとしたんだ。そしたら…」




喉がごくりと鳴る。




「この学校って、彼女がわざわざ会いに来ても顔すら見せてくれないんですね!…だとよ。俺は耳を疑ったぜ。」





目の前が真っ暗になった…





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