桃川中学校吹奏楽部

「そっかぁ～やっと気づいたんだぁ～!」

絵梨が冷やかすように言ってくる。


でもこの恋は


しなきゃよかったと思うくらい


私はどんどん苦しくなってゆくのを


まだ知らなかった。


クラパートでは主に真美に恋愛相談にのってもらっていた。


まぁ、4人みんなで恋バナしてるけどね。


実由子は大宮君と付き合ってるし

あっちゃんは桃川第３中に彼氏がいるし

真美はクラスは違うけどサッカー部の神埼のことが好き。


でもやっぱり


やっぱり


倉本君がいちばん。


いちばんキラキラしてる


倉本君が　いちばん。


コンクールがどんどん迫ってくる。


「だめだっ・・ペット、チューニングあってるかー」


先輩達の合奏時間はどんどん増えてゆくけど


あおちゃんの指揮棒はよく下がる。


音楽室からはたびたび　ブライアンの休日が流れるようになった。


今年のコンクールの課題曲　ブライアンの休日


ティンパニからはじめるメロディは


低音もメロディも十分に目立てるとこがある曲だ。


「・・今年は金賞無理かもなぁ・・」


部の中にはバラバラが目立ちはじめた。


毎年県大会金賞と栄誉ある賞をもらっているが


今年は関東大会へいけるチャンスだけど


やはり部がまとまらない。


あおちゃんだから？


やっぱり先輩は前の先生がよすぎて


どうしてもあおちゃんと比べてしまう。


そんなとき


ミーティングがあった。