桃川中学校吹奏楽部
冷たい風が頬に触れる。

バスが来た。

 
あいている席座る。

 
バスの中は比較的空いていた。


あ、合唱コンクールの練習すればよかったかも。


ま、いっか。

 
バスに揺られてついたのは


ついたのは


総合運動公園。


大きなイチョウの木の下のベンチで


奈緒さんと出会ったこの場所で


ケースを開けた。

いろいろ吹いていると


トランペットの音が聞こえた。

 
私はこの音が耳に入った瞬間、すぐにわかった。

 

・・ただのペットの音じゃない。

奈緒さんの音だ・・!!


でも・・聞こえたのはトランペットのアンサンブルだった。


 
でも・・片方は絶対に奈緒さんの音だった。


奈緒さんの音には


伸びがあって


音が飛んでいく感じで


一度聞いたら忘れられない。

 
あたりをきょろきょろと見回すと


滑り台の向こうのベンチに


奈緒さんがいた。


 
横にいたのは


スラッっとしている奈緒さんよりも背が高くて

 
適度に着くずした感じがお洒落で


かっこいい感じの


男の人が一緒に銀色に光るトランペットを持っていた。


 
彼氏・・かなあ?


誰だろ・・


奈緒さんは


スラっとしてて足も長いし


綺麗な顔立ちだし


肩まで伸ばしたサラサラの髪。


すごく お似合いだった。


お邪魔になるかもしれないけど


いっちゃった。


「奈緒さん!こんにちは!」
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