【完】キス、kiss…キス!
しかし、ナオちゃんから発せられたその言葉は、私の頭をハンマーでガツンと打撃するレベルのもの。


「俺……このマンション近くの聖クリストファ学園の高等部一年。……んーっとね、つまり、現役高校生、だよ?」


「えっ……えぇぇぇ!?」


ま、マジですか!?まさかの、じ……10歳年下ですか?


どう見ても16歳には見えないよ。っていうか、完全犯罪でしょ、この歳の差!どーすんの!


「ひーめさーん?行こう?遅刻しちゃうよ」


「せ、制服は?」


「うちの学校私服だからオールオッケー!」


もう、ふにゃふにゃの笑顔がキラッキラに輝くナオちゃんに、返す言葉も見つからない。


とりあえず、このまま固まってるわけにもいかず、かわいらしい子犬ちゃんを引き連れ駐車場へ向かう。


けれど、頭の中では人生最大級の犯罪を犯してしまったことに対しての神様への謝罪がつらつらと並んでいた。
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