【完】キス、kiss…キス!



自己嫌悪と戦いながら何とか『聖クリストファ学園』に辿り着く。


「ありがと!姫さん」


ナオちゃんは極上のスマイルを私に向け、車の外に長い足を投げ出して出て行く。


『ありがと』って言った声はまた私をきゅうんとさせるし、何なのこの子、可愛すぎやしません?


っていかん!姫子ぉ!相手は10歳年下なのよ!
弟より年下じゃない!ときめくなんて絶対ダメダメ!


「ね、姫さん」


イケメンベビーフェイスにときめきまくりの自分と葛藤し、ハンドルに頭を乗せた私にナオちゃんの低い声が降り懸かる。


「何……!?」


顔を上げた途端、私の視界いっぱいに茶色いふさふさJカール睫が広がっていて、唇には熱くてぷるんぷるん、ヒアルロン酸パック並みに柔らかい感触が引っ付いている。
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