【完】キス、kiss…キス!
「クラスで焼肉?……今旅行中だから帰ってからね!……おー、まぁね。そう、うん、あはは」


やっぱりたいした内容じゃないみたいだけど、楽しそうに話すナオちゃんの顔を見て無性に苛立って、悲しくなった。


こんな汚い想い、知られたくない。こんな顔、見られたくない。


そう思ってるうちに、勝手に足が動き出して、私はナオちゃんから離れ、一人で走り出した。


このもやもやが取れてほしい、走ってるうちにどこかに落ちればいいのにと、ただ、走った。


ねぇナオちゃん、大人になるとね、器用なようで、実はどんどん不器用になるんだよ。


表面では何てことないよって顔したいのに、心の中はズブズブもやもや。


私はね、器用なふりすら出来ないから、君から逃げることしか出来ないの。
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