紅狼王子





「名前はレイ。昔飼ってた犬の名前だ。」


あたし、犬と同じ扱い?


「・・・・・・」


「オレが拾ってやるよ」


そういって抱きしめられた。


あたしも抱きしめ返した。


今まで出なかった涙が流れ落ちた。


カズマに抱きしめられたときは、こんなにあったかくなかった。


まぁ、あれはきっと、抱きしめるという行為なんだと思う。


でも、こいつは違う。


なにかが違う。
< 16 / 37 >

この作品をシェア

pagetop