Sky
待ち合わせの5分ほど前に噴水の前に着くと、すでに美由が待っていた





しかし、そこには午前中を一緒に過ごしたはずの梨衣がいなかった







「あれ?美由…一人で待ってたのか?」



「うん…梨衣、用事があるみたいで帰っちゃった」



「なんだ、冷たいな~、梨衣のヤツ」




俺の言葉に美由は、悲しそうな、困ったような…そんないろんな思いが入り交じったような笑顔を浮べた




「…ケンカでも、したのか?」



美由の表情に不安になってきいた俺に、



「そんなこと、ないよ…」




消え入りそうな、小さな声で、美由は答えた









きっと、美由と梨衣の間で何かがあったんだ



それは、間違ない





でも…美由が答えたくないことなら、聞かない方がいいんだよな…



< 61 / 100 >

この作品をシェア

pagetop