Sky
「…どういうことだよ?」



俺の問いかけに、梨衣は答えない




深い悲しみと共に、強い怒りが湧いてきた






俺は、梨衣の肩を掴み、思い切り揺すった







「何でだよ!?何で知ってるなら、俺に教えなかったんだよ!?」





それでも梨衣は、答えようとはしない






「美由が死ぬことを知ってて…それを知らない俺を見て…おまえはそれを腹ん中で笑ってたのか!?」



「違う!!」




怒りに任せ叫ぶ俺に、梨衣は鋭く叫んだ



「違うのよ…」





弱々しく呟く梨衣の肩からそっと手を離すと、梨衣はその場に崩れ、泣き始めた





俺は、どうすることもできずに、呆然とそこに立っていた





どうすればいいのかなんて、分からなかった







ただただ、やり場のない怒りだけを抱えて…







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