「聞こえない。もう一度頼む」

父からはメールが何度も届き、私はそのたびに叫んだ。何度自分の声を聞いたろう。喉がからからになる。叫びが部屋に満ち、耳も痛くなってきた。父からメール。

「だめだ。わからない。GPSの情報がおかしいか、音の漏れない部屋にいるかだ。すまない。引き続き捜索する。大丈夫だ、人間は飲まず食わずでも三日間は生きられる。安心して、気を強くもて」

やれやれ。問題は食料ではなく、縮小する部屋なのに。まったく理解してない。このまま私が圧死したら、両親の中で私はどうなるのか。行方不明なのか。それはそれでいいかもな。どこかに生きているという、希望を残して死ねるなら。

「了解。なるべく早く助けて」

とだけ返信した。見れば電池が後二つになっている。あまり無駄に、電話やアプリをするわけにはいかないな。

時刻は十五時。
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