男前な彼女

「さ、さ…笹岡さん…？」





頭がパニックになる。


冷静な声など出していられるものか。








「咲夜ちゃんって、かっこいいけど…やっぱり女の子だよね…。かわいい」





――なんだ？なにが起きているんだ…？




何故、あたしは笹岡さんに押し倒されている？


何故、こんなことを言われてる？




――訳がわからない…








「…彼氏、いるんだよね？前 店に来ていた子…」



「…はい」






笹岡さんの、もうすでに細い目が、さらに細くなる。









「ダメだと分かっているのに、手を出したくなるのは……僕が男だからかな？」



「……っ！？」








そう言って、笹岡さんは顔を近付けてくる。





これは、まさか……








――キスされるっ！！