男前な彼女




さっきから原稿用紙に向かいっきりだった詩織が顔をあげる。





「…好きな…人ぉ?」


「そうそう。付き合ってる人とかさぁ」





詩織はちょっと考える素振りをしてから言った。





「……いるかも」


「「えぇーーー!!」」





新事実!!!


これには驚いた!




いつもぼーっとしてて、文芸部の活動のことでいつも騒いでいるから、いないのかと思っていた。



…というか、ただ単に恋愛に興味がないと思っていた。



人は見かけによらない部分があるものだ。






「え、ちょっとそれはどういうことなわけ?好きな人なの?付き合ってるの?」




南も相当慌ててる。





「うーん……付き合ってる…のかもしれない」


「「えぇーーー!!」」




ことごとく詩織には驚かされる。


天然の詩織がちゃんと恋をして、付き合うところまでいっていたなんて!




それから何時間か、その話題で盛り上がり、文芸部室で騒いでいた。







詩織は今、恋愛小説を書いているらしい…。










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