ウソ★スキ
その言葉に、泣きそうになるあたし。


……だけどね、ちゃんと分かってるんだ。


一番目のキラと二番目のあたしでは、大違い。


キラが100なら、あたしなんて1にも満たない存在だってこと。


ソラにとって、キラ以外の存在なんて、意味ないってこと。




「お願い! ソラの気持ちが変わるまででいいから」



「……え?」

あたしがそう聞き返すと、キラは頭を下げたまま続けた。


「ソラが美夕のことを好きになるまででいいの。そのあとは私、美夕と徹先輩のことを全力で応援するから!」


キラがあたしの手をぎゅっと握る。


「勝手だけど、ソラが他の子とつきあうのは見たくないんだ。それに、美夕には先輩がいるから、本当にソラとつきあうことはないからね!」


キラが頭を上げると、そこには綺麗で、残酷な笑顔があった。


「後はフォローするよ。だから、お願い……」



……それってかなり、ひどいよ。





< 16 / 667 >

この作品をシェア

pagetop