ウソ★スキ
……だって、ね。

ソラの隣に立つキラが、あたしを見ていたんだ。

その顔は笑っているけれど、でも、先輩からさっきの話を聞かされた後ではそんな笑顔はかえって怖くて。


……今、下手なことを言って、キラに変な誤解をされたくない。


旅行はまだ始まったばかり。

これから明日の夕方まで、楽しく過ごさないといけないんだから……。



先輩とソラが、壁の時刻表を見ながら今日のスケジュールを確認し始めると、キラはゆっくりあたしの方に近づいてきた。


そして、私にしか聞こえないような小声で、こう囁いた。

「先輩に、言ってくれた?」


あたしが無言で二度大きくうなずくと、キラの表情は更に明るくなる。


そして、

「ねえ! 早く出発しようよ!」

そう言うとキラは、先輩の目の前で、ソラの背中に抱きついてみせた。




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