ウソ★スキ
「みんなひどいよ……何も知らないくせに。2人のこと、どれだけお互いが必要だったかなんて……何も分かっていないくせに……」

悔し涙が止まらなかった。

だけど、

「俺なら平気だよ。美夕が分かってくれればそれでいいし」

窓に映るソラは、まっすぐ前を向いたままだった。



「言いたいヤツには、言わせとけばいい」




そんなソラの声を聞きながら、あたしは考えていた。

「もしもキラが今のあたしの立場だったら、どうするだろう?」

って──。




キラなら、多分あたしみたいに泣いてばかりじゃないはずだ。

きっと陰口を言ってる人を見つけたら、毅然とした態度で

「うるさいよ!」

って一喝するだろう。


そして、いつも通りソラと並んで、ソラと同じように前を向いているんだ。


それなのにあたしは、他人の視線に脅えてメソメソ泣くしかできない。

ソラの隣にいるのに、
ソラはあたしよりずっと辛いはずなのに、

そんなソラのことを助けてあげられない。



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