ウソ★スキ
そこは、あまり、というか、全然興味のない海外モノの文庫本コーナー。

あたしはそこまでたどり着くと、かばんを足元において、肩でため息をついた。


『会いたくない』って思ってたら、会っちゃった。

まだ、心の準備ができてないんだけど……



そのまま早く立ち去って欲しい。

そう思っていたのに、その足音は間違いなくこっちに近づいてくる。



そして、ソラの声。

「美夕!」



声の方を振り返ってみると、ソラが1人で、あたしのすぐ側まで歩いてきていた。



「ひでーなぁ。さっき、俺のこと無視しただろ?」

「……別に」

「あぁ……あの子はただのクラスメイトだから」


ちょうどその時閉じられた自動ドアの方を顎で指しながら、ソラは言った。


「このこと……キラには内緒な」

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