ウソ★スキ
「ソラはあまりにも辛い思いをしたから、キラちゃんと美夕ちゃんのことを心の奥のいちばん深いところにしまい込んで、更にそこに何重にも鍵をかけてしまったんだ」
さっき、スケッチブックを見ながら、旦那さんは話してくれた。
「そして、ただ、その鍵の外し方を忘れてしまっただけなんだ。……だから、決してソラの心から2人が消えてしまった訳じゃない。今でもキラちゃんと美夕ちゃんはしっかり存在しているはずなんだ」
「だけど……」
あたしは首を横に振った。
「だって、ほら。ソラはこうして美夕ちゃんの絵を描き続けているだろう?」
旦那さんはあたしの手元のスケッチブックを指差して続けた。
「以前、『どうして毎日同じ絵を描き続けるんだ?』ってソラに聞いたことがあるんだ。だってこれが美夕ちゃんだってことは分からないはずなのに……不思議で仕方なくてね」
もう一度、スケッチブックをぱらぱらとめくる。
そこに描かれているあたしは、間違いなく高校生だった。
そう……ソラの前でいっぱいいっぱい泣き続けた、あの頃のあたし……。
「そしたらソラはこう答えたんだ。『自分でも分からない、だけどもうひとりの俺が彼女を忘れるなって言うんだ。名前も思い出せない相手なのに……そんな彼女が流した涙を、お前は忘れてはいけないって。……だから俺は描き続けているんだよ』ってね……」
さっき、スケッチブックを見ながら、旦那さんは話してくれた。
「そして、ただ、その鍵の外し方を忘れてしまっただけなんだ。……だから、決してソラの心から2人が消えてしまった訳じゃない。今でもキラちゃんと美夕ちゃんはしっかり存在しているはずなんだ」
「だけど……」
あたしは首を横に振った。
「だって、ほら。ソラはこうして美夕ちゃんの絵を描き続けているだろう?」
旦那さんはあたしの手元のスケッチブックを指差して続けた。
「以前、『どうして毎日同じ絵を描き続けるんだ?』ってソラに聞いたことがあるんだ。だってこれが美夕ちゃんだってことは分からないはずなのに……不思議で仕方なくてね」
もう一度、スケッチブックをぱらぱらとめくる。
そこに描かれているあたしは、間違いなく高校生だった。
そう……ソラの前でいっぱいいっぱい泣き続けた、あの頃のあたし……。
「そしたらソラはこう答えたんだ。『自分でも分からない、だけどもうひとりの俺が彼女を忘れるなって言うんだ。名前も思い出せない相手なのに……そんな彼女が流した涙を、お前は忘れてはいけないって。……だから俺は描き続けているんだよ』ってね……」