【戦国恋物語】出会いは突然風のように…
「まあ、迦陵。来ていたの。ごめんなさい。ちっとも気付かなかったわ」


ねねさまははにかんだ笑みを浮かべながら、こちらに近づいて来る。


「いえ、わたしも声を掛けなかったので……」


わたしはなんだかどぎまぎして俯いた。


ねねさまはあまりにわたしとは違い過ぎて、わたしなんかが面と向かって話してはいけないような気になるのだ。


あまり身分のことなど考えないわたしだけれど、ねねさまは何故か特別だった。


「今日はどうしたの?」


けれどねねさまは、そんなわたしにも分け隔てなく接してくれる。


低い身分の出自であるという秀吉さまとは恋愛で結婚したと言うから、ねねさまもあまり身分にはこだわらない性質なのかもしれない。


「あの、志摩さんに珍しい貝が手に入ったから届けてくれと言われて……」


「まあ、本当に珍しいわね。どうもありがとう」


早速今夜の夕餉に出さなくっちゃ。


そう言って、ねねさまは貝を藁で丁寧にくるんだ。




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