【戦国恋物語】出会いは突然風のように…
そこは深い森が続く山だった。


山道はそれほど急ではないけれど、わたしは息を切らせながら歩いていた。


逆に、ねねさまは涼しい顔で歩いて行く。


(そうか。わたしって体力ないんだ)


それもそのはずだ。


ついこの間まで食うや食わずの生活をしていたのだから。


すぐに元気になるというものでもないだろう。


「大丈夫?少し休みましょうか」


そんなわたしを気遣ってねねさまは何度かそう言ってくれたけど、わたしはこれ以上ね
ねさまに気を遣ってもらうのが悪くて断った。


「もう少しだから、頑張って」


先を行くねねさまとの距離は随分開いてしまった。


懸命に足を動かしているのに、前に進んでいるのかいないのか。


脂汗が滲み、意識が朦朧として来た時だった。


「ここよ」


ねねさまがひときわ明るいを声を上げたのだ。


「う……わ……」


わたしはそれまでの辛さなど忘れ、我知らず感嘆の声を上げていた。





そこは山桜の群生地だったのだ。





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