俺色〜ある草食系男子の日々
「陽斗・・・」
声をかけようとして、思わず息が止まる。
肩が少し揺れていて、
それはきっと陽斗が泣いてるものとばかり思ったのに。
きいたことのないような切ないメロディーが
かすかに風にのって俺の耳に届いた。
陽斗・・・?
メロディーが切なくて、
まるで泣いてるようだった。
俺は、ゆぅさんのことも、ひなたのことも、仕事のことも、そして陽斗を見つけられたということも、
感情がごちゃまぜになって、だけどなぜかわからないけど、
いつの間にかそのメロディーに涙が流れていたんだ。
すごい、すごいよ。陽斗。
その瞬間。
俺は陽斗の二番目のファンになった。
一番目はゆぅさんだろ?
じゃ、せめて二番目って、胸をはらせてよ。