俺色〜ある草食系男子の日々
彼女の涙
「陽斗・・・」
かけられた俺の言葉に、振り向いた陽斗の頬には涙が流れていて。
それでもあいつは、
「紺野、何の用だよ」
なんて、答えるんだ。
ほんとに、生意気なんだよ、お前。
けど・・・無理やり笑おうとする陽斗の顔には、
この前までの幼さなんてなくて、
俺は、それこそ仕事場だけじゃなくて、
待ってみよう、って思った。
陽斗の音楽を。
俺は聞きたい。