現実との温度差

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本官が警察官を志望したのは、こんなほのぼのとした毎日を送るためじゃない。

日々巨悪と対峙し、ことごとく懲らしめる。

そのための武道だし、鍛え抜かれた身体だ。

本官はいつもそう思い、中島先輩が楽しそうにしているのが半ば腹立たしかったのです。

「三塚はノリが悪いな。そんなんじゃ下町のアイドル警官には到底なれっこない」

こんなおちゃらけた発言が、余計に本官の気持ちを逆撫でしました。

「またまたそんな恐い顔してえ。三塚は元々吊り目なんだから、ニコニコしてないと損だぞ?」

「愛想で犯人は逮捕出来ませんよ」

どうしたって反抗的になってしまうのは仕方のないことでした。




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