どうやら危機は乗り切ったようだ。子供の戯言として片付いたみたいだ。

「も、もしかして……ま、魔女なのか?」

「フフフ、そうだったらどうする?」

「んなわけ有るか! 魔女が熱中症にやられるわけがない!」

可奈子は少し頬を膨らませて、やや不服そうに吐き捨てる。

「仕方ないじゃない! 魔女は魔女の血筋だもの。どうやったって普通の人間じゃ、なれっこないわ。私は、いいえ私達は、カニングフォークの団体なの」

「カンニングホーク? なんだそりゃ」

「ひとが魔を操るの。カニングクラフトはウィッチクラフトと違って、人が叡智を注いで作り上げた技なのよ」


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