W・ブラッティⅡ

2

 それから三日後、麻耶が学校の掃除のため慎次一人が先に家に着く。


この家では一番先に帰ってきた人が郵便受けを見る決まりになっているので、慎次は玄関前の郵便受けのダイアルを回して郵便受けを開ける。


いつもの学習塾の勧誘とガス代の領収書。そして白い封筒。悠介宛であった。送り主の名前などは書かれていない。


 慎次は息をのんだ。悠介宛の封筒など内容はほとんどが聖の話に違いない。


 悠介の言っていた、事件の再来。この封筒が来たことはそれを表すはずだ。


 気づくと手が震え、汗ばむ。心臓の鼓動が速くなる。慎次はたまらず悠介に変わってもらうように要請し、すぐに悠介が出てきた。


 悠介が何気なしに封筒の封を開ける。そこには二枚の四つ折りの紙が入っているだけだった。悠介は開いて目を通す。


『聖悠介様へ
 この度はあなたの祖父に当たる聖鉄斎様がお亡くなりになられ心よりお悔やみ申し上げます。鉄斎様の遺言通り鉄斎様が残された遺産の相続を以下の四名の中から一名にのみ相続するということが決まりましたので別紙にご通知いたします。尚、質問疑問は一切ご返答できないことをご容赦願います』


 そして悠介が二枚目の紙に目を通す。


『以下のものを遺産相続候補とする。
 長男 聖博文 二十二歳。男
 二男 聖悠介 十六歳。男
 長女 聖沙希 十二歳。女
 二女 聖沙弥 十二歳。女


 これより一カ月以内にこの紙を四枚、つまりは全ての相続候補者からこの紙を手に入れることが遺産相続の条件です。紙の入手手段は一切問いません。奪うなり、殺すなり一切の手段を可とします。ですのでこの紙は常にお持ちになってください。


 この紙を紛失や奪われてこの紙の所持枚数がゼロになった時点で遺産相続権利が消滅しますのでご注意ください。


 ではご健闘をお祈りしています』
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