◇◆センセイは俺の!◆◇
俺がトイレを出た時だった。
「険しいぞ。…顔。」
「え…」
トイレの前の大理石の壁にすがって、腕を組んだ孝幸がそこにはいた。
そこから並んで、だだっ広いホテルの廊下を歩いた。
「ふん。」
「フッ…言うね~お前も。」
「当たり前のことを言ったまでだし。」
俺がそう言うと孝幸はクスッと笑った。
ふん、どうせガキみたいなケンカだよ!
「姫を悪魔から助け出すのが、騎士の役目だぞ。」
孝幸は優しく微笑みながら、そう言った。
なんか、めっちゃクサいセリフだけど…
今の俺は、確かにその立場だ。きっと。
「クサいって。」
「ははっ。悪いな!愛を語る親を持ったからな。」
「確かに。」
あ、でも…
「孝兄、」
「ん?」
「俺は、騎士じゃないから。」
「じゃあ?」
「王子だし。」
「フッ…そっ。頼りになる王子だな!」
「あ、ったりめーよ。」
みーちゃん、待ってろよ?
俺がみーちゃんを悪魔から助けてやるから。