小悪魔男子




HRの始まりを告げるチャイムが鳴ると同時に、あたしは教室に滑り込んだ。

幸い担任はまだ来ていない。


「おはよ~」


みんなに挨拶をして、自分の席に着くと


「さなぁっ!!」


「あ、薫ちゃんオハヨ」


和樹と共に薫ちゃんが駆け寄ってきた。でも、なんだかいつもより焦っているというかおどおどしているというか…。とにかく様子がおかしかった。




「どうしたの?」


「どうしたのじゃないわよ!もう…マズイことになってて…」


「???」


この焦り方は尋常じゃないと思った。


けど、あたしには何がなんだかわかんないよ。薫ちゃんだと話にならないと踏んだのか、和樹が真剣な目で説明する。


「いいか、落ち着いてよく聞けよ。


昨日の夜中、真希が補導された」


「補導? それはまずいけど…あたし達がそんなにうろたえること?

うちらもこれまでに補導されかけたことあったよね?」


「…問題は、一緒に居たのがうちの担任だったって事なんだ」




担任…? 一緒…?



「それって…」


薫ちゃんが決定打を打つ。



「真希と先生が付き合ってたってことでしょ!?」



ちょっと待ってよ…


頭が真っ白になって 何にも考えらんない…










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