小悪魔男子



「紅茶でいい?」


リビングに入ってすぐにそう尋ねられ、違うことを考えていたあたしは反射的に頷く。


カチャカチャと音を立てながら、大和は有名ブランドの高いティーカップに 良い香りのするお茶を注ぎ入れてあたしの目の前に置いてくれる。


「ダージリン」


「へ?」


聞き慣れない単語に、間抜けな声を上げてしまった。


彼はフッと笑って説明してくれる。


「ダージリンは紅茶の種類だよ。クセがなくて飲みやすいと思う」


「へぇー…。紅茶に種類なんてあるんだ?リ●トンも紅茶の名前?」


「…違うよ」


あれ?


一番最初に思い付いた、ペットボトルでよく飲む紅茶を挙げてみたら呆れた顔をされてしまった。


そうか…違うのか。


「詳しいんだね。紅茶の種類なんて」


あたしは知らなかったよ。


「母さん達が好きで…自然に覚えたんだ」


強制的に味見させられるんだよ

答えた大和はそうやって笑うんだ。


ねぇ…


母さん"達" って誰の事を指してるの?


聞きかけて



止めた。







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