小悪魔男子



むくりと起き上がって、顔を彼女に向ける。


パコン。


「う…。だって、眠ってるんでしょ?題名だってそーじゃん」


頭をさすりながら反抗する。…まぁ、それ程痛くなかったけど。


「題名なんかどうでも良いのよ!

第一、脚本通りにやるだなんて役者としての自覚が足りないのよ!!

アドリブで芝居する位出来ないのかしら!!ねぇ、魔女!!」


「やぁだ!もう…ちゃんと名前で呼んでよねッ!!」



魔女と呼ばれた薫ちゃんは頬を膨らませて怒っていた。


…というか、この劇


役の配分がおかしいと思うんだけど。



王子様役の和樹はともかく


魔女は怖くも何ともないオカマだし

妖精役は15人位居るし…

(原作は12人。この劇はアニメ映画の人数で行う設定)



しかも妖精とはかけ離れた、すね毛が濃い男子も混じっていて


絶対に観客入んないと思う。



「ちょっと!聞いてんの!?」



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