小悪魔男子
軽快な音楽に合わせるように、必死で足を動かす。
いや、って言うか…
「リードしてくれてる?」
自分より15センチは高い身長。
チラッと顔を見てみると、優しそうで綺麗な顔立ちをしている。
あたしがじぃっ…と見つめているのに気付いた彼は 顔を真っ赤にして 「何か顔に付いてます?」って言った。
「あ、いや…。若いのにこんな踊りもリード出来るなんて凄いなーって思って…」
つられてあたしも赤くなる。
「あぁ、僕の親がダンスとかが好きで…。無理やりやらされてるんです」
彼は少し困った様な顔をしてみせた。
「そうなんだ。だから上手いんだね!」
「上手いなんて…。人より踊った回数が多いだけですよ」
ニコリと笑う。…なんか、心が温かくなって癒された気がする。
こんなに自然に男の子と会話出来るなんて凄いかも。
今まで同世代の男の子と話してたのは和樹位のもんだから。
…薫ちゃんは数に入れてないし。