小悪魔男子



「そう言えば、真希は?」


ダンスが始まるまではあたし達と居たのに。


「あぁ。それが、3年の格好いい先輩が来て連れてったわよ。
年上は好みじゃないから名前なんて知らないけど」


「ふーん…?」


誰だろう?


真希は美人だから、もしかしたら告白されてるかも知れないな。


「一応メールしてみようか」


ケータイを引っ張り出した所で、がやがやした人混みの中から真希が現れた。


「ごめん~!!ちょっと、嫌な奴に呼び出されて。

もう大丈夫だから 帰ろうか」


「嫌な奴なの??爽やかそうな人だったじゃない」


薫ちゃんは頭の上にハテナを浮かべていた。


「…まぁ、見かけはね。

とにかく、帰ろう」





こうしてあたし達は家路についたのだけど



真希が会っていた先輩が あの安藤さんだったなんて


あたし達には知るよしもなかった。




< 229 / 346 >

この作品をシェア

pagetop