小悪魔男子
――――――………
「さ~なちゃん!おはよ♪」
「……はよ」
次の日の朝。
何でコイツは普段通りなの?
あたしは一晩中悩んだり、キスを思い出して一人で赤面したりして寝不足なのに!
そうか!大和には、わざわざ悩むような事じゃなかったってコトなんだなッ!?
頭の中で出た結論に無性に腹が立った。
あたしばっかり、損してない?
「はなはん、ほいひーお」
大和が突然口を開いたと思ったら、口いっぱいに詰め込みすぎて何言ってるかわかんない。
でも、差し出されたロールサンドを見て、きっとこれを薦めてくれてるのだと気付いた。
「アリガトー」
…ま、可愛いし。
昨日の事は、犬に噛まれたと思って忘れてやろう。