先生とあたしの恋

沈黙を、先に破ったのは

あたしだった……


「先生。」

「なに?」


椅子に座って
道具の手入れをしていた先生…


「彼女さん、元気ですか?」


「えっ!?」



道具を布で拭いていた先生の手が止まり…一瞬…先生の顔が、凍りついた気がした……



「うん……元気だよ。」


先生は、静かにそう答えた。


「そっかぁ~良かった。」







どうして、そんな事を聞いてしまったのか、分からなかった…


『聞いて、どうするのよ!?』


って、聞いてすぐに後悔した……


だけど


なぜか、聞いてしまったのは


先生をもしかしたら、忘れられるのかもしれないって


もしかしたら、先生を、嫌いになれるかもしれないって…


そう



想ったんだ…




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