先生とあたしの恋

雨は、徐々に激しさ増して降り続け


寒さで、体が震えてきた……


バックも、何も、持たないで飛び出してきたから


お金も、何も、持っていない……


誰にも連絡できなくて


誰にも


頼れない……



どうしよう…これから……

ここ、どこか分からないし


自分が、方向音痴だという事さえ

忘れていた…


帰り道が、分からない……





通り過ぎる人達が

不思議そうな顔で見ていた……


誰にも見られたくなくて


ただ、ひたすら歩き続けた…



行き先なんて


どこにもあるはずないのに

ただ


歩き続けた…



そして


誰もいない公園に辿り着いた…



公園のベンチに腰を下ろして


痛む足をさすった……


いつの間にか、カスリ傷ができていて


少しだけ、血が滲んでいた…



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