先生とあたしの恋
先生、ずっと探してくれていたんだ…

ずっと、あたしを

先生、ありがとう

ありがとう、先生…

「とにかく、家に帰ろう。お母さん達、心配するから……」

先生がそう言って
あたしから、離れた

その手を、思わず掴んだ……


細く……たくましい……先生の腕…



「藤井?」



「………」


「どうした?藤井…」


「………だ………ない……」


「えっ……?」

振り絞るように言った


迷惑だって


分かってて、言った


「………まだ……」


「うん?」



「まだ……帰りたくないです……」



ごめん、お母さん


あたし

まだ、帰りたくないよ


あたし



まだ



先生と一緒にいたい


先生といさせて



先生



帰れなんて


言わないでください


先生…


どうか



言わないでください





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