先生とあたしの恋
目的地に着いたら、ほとんどの生徒達がゴールしていて

あたし達は、慌てて列の最後尾に並んだ。


先生達の説明が何かあったけど、当然あたしの耳にはただ右から左に通り過ぎるだけで


頭の中には、全く入って来なかった。


そして、先生達の話が終わると、保健室の先生を見つけて、足を見てもらう事にした。


「先生、すみません、足、捻ってしまったみたいで…」

「あら、どうしたの?大丈夫?ちょっと見せてみて」


保健室の先生は、若くて、綺麗なとっても優しい女の先生で

男の子だけじゃなくて、女の子からも人気がある、あたしの憧れの先生でもあるんだ。


後ろに束ねられた長い髪を、先生は時々下ろしている時があって


サラサラな艶やかな黒髪に


あたしの太く、少し茶色の髪の毛と比べては


勝手に落ち込んでみたりした。


美人で優しくって、スタイルも良くって


こんな女の人に、慣れたらいいな…。




先生が、あたしの足に湿布を貼って包帯を巻いてくれている間、あたしは、そんな事ばかりを考えていた。





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