ふたつの指輪
コーヒーを二人ですすっていると、あたしの携帯が鳴った。


――魁人くんだ。


「今日はバイト中にごめんね」

「ううん」

「でも久々に瞳衣の顔見れてよかったよ」

「魁人くん……あたしも」


携帯片手にデレデレモードなあたし。


「明日もバイトだっけ?」

「うん」

「バイト始まるの、何時?」

「えっとね、お昼から」

「んじゃさ、10時ごろからとか、ちょっとお茶でもしない?

バイト先の近くで。バイト先の喫茶店でもいいけど」

「あ!うん!行く行く」


あたしは嬉しくて声を張り上げた。



横からあたしをじっと見つめる視線を頬にじりじりと感じながら。
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