ふたつの指輪
「簡単な話だ。

ちょっぴり世間知らずで、流されやすそうな子を選べばいいんだよ。

んで、かわいけりゃまず間違いないな。


これがブスだと警戒心が強いんだ。

実際、自分にちょっと自信があるくらいのかわいい女が一番引っかかりやすい。


やってみりゃ、ちょろいちょろい」


「キレイな顔して、悪魔だなお前」


「……いや、でも実はさ」


苦笑混じりの声。


「今回はやけにやりにくかったな」

「何が」


「おまえだから言うけどさ……

きょうび、高校生でもある程度遊びって割り切ってオレらに近づいてくるだろ。

なのにこいつ――オレが思ってたよりもさらに純でさ……


マジでオレにベタ惚れで――疑うことも知らないし、オレのこと神みたいに崇拝してるし。

犬みたいになついてきやがって、マジ調子狂うっつーか……」
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